我々は職場の仲間が集まっているが、よくメンバー以外の方から、何時間も呑んでいて、よく話しが尽きないものだと感心されることがある。我々の飲み会ではサラリーマンによくありがちな、仕事上の愚痴や職場の人の悪口などは、一切話題に出ない。話すのはあくまで阿波踊りの話題のみ。特にそう決められているわけではないが、それを話しているだけでも時間があっという間に過ぎてしまう。
過去や最近出演したときの失敗談や反省点、果てまたそのときのくだらない話題など。さらに、これからの踊りやお囃子のあるべき姿などについて、いつまでも話しが続いていく・・・。もちろん酒も・・・(^^ゞ
このページでは、このページの製作者であるわたし個人が、そんな日々の連活動の中で個人的に感じたことや気になることを、順不同で書き連ねていくこととする。
6 本場徳島のほうが柔軟?![]()
平成12年8月、昨年に引き続きメンバー約20名で徳島に行ってきた。メンバーそれぞれが、文字どおり街中が”阿波おどり”一色という本場の雰囲気を十分に堪能してきた。ちなみに本場の印刷物などでは”踊り”ではなく”おどり”が正しいようだ。
さて、自分を含めて数人は現地に滞在した3日間、毎日”選抜阿波踊り大会”を見学、また町なかで行われる流し踊り、輪踊りなども見学したが、そこで感じたことは 『 本場徳島のほうが、(真似をしている)東京よりも柔軟なのではないか? 』ということだ。
選抜阿波踊りでは、なんとシンセサイザーまで入った。シンセの音で女踊りが踊っている。また、某有名連の男踊り手は輪踊りで、それまで決して見せなかった、ゲンコツを突き上げるような踊りを、楽しそうにして見せた。
東京では、決して見られないだろう。いや、東京の連がそれをしたら、「なんだ、この邪道なやり方は」と言われてお仕舞いだろう。しかし、本場徳島の有名連がやると、「なるほど、新しい動きを取り入れている」と我々は評価する。
いずれにせよ、どうあがいても本場には敵わないというのは仕方のないところだが、我々の思う以上に柔軟にいろいろな試みを取り入れていることは間違いない。
そういえば、NHKなどで流れる古い映像では、大正時代には、尺八やトランペットなどがお囃子で使われている写真を見たこともある。
そう、本場の人たちは、基本は基本で守りつつ、しかし古くからの形にこだわらず、さまざまな試行、よいものは取り入れ(見せるため組み踊り、女踊りの笠を立てて被ること、提灯を持つことなど)、よくなかったものはもうしない(トランペットなど)、という試行を繰り返して、今の形があるのだと今回感じた。
つまりそれは、今現在の形が阿波踊りの完成形でもなく、これからも柔軟に変化しつづけて行くのが阿波踊りの形なのだと感じた。
我々も、本場の流れを確実に捉え、常に徳島の流れについて行かなければ。
でも、私個人的にはシンセはどうかな?と思っていますが。
5 基本踊り練習の末
平成12年夏、男踊り手は下記4にあるとおり、徹底した基本踊り練習が行われた。夏の練習が終わる頃、ある呑み会でSリーダーが男踊りメンバーにこう言った。「基本的な練習のおかげでみんなの踊りがきれいに揃った。ある程度、基本踊りができるようになった。 しかし、躍動感がなくなってしまった。これは弊害だ。 確かに、差し足技法の基本踊りは大切だが、男踊りの暴れ踊りは、各自が基本を大切にしながら、しかし全員が同じ踊りをするのではなく、各自の個性を生かして個性ある躍動感ある踊りをしなければいけない。個性がなくなるのは望むところではない」とのこと。
果てさて、本番ではどのような踊りになるのか・・・
4 踊りの基本
Sリーダーが、平成12年6月10日のイベントの反省会(呑み会)でこう言った。
「自分は今まで後輩にきちんと踊りを教えていなかった。それは、基本が何か、自分でも分からなかったからだ。でも、最近、ようやく『これが基本なのではないか?』というように感じることができるようになった。ついては、次回の練習や合宿からそれを徹底的に練習していきたい」とのこと。
ポイントはいくつかあるが、「とにかく、”基本”だけ。へんなコネクリは不要」
たとえば、イチニ、イチニの踊りの最中の”手首の決め”は不要。とにかく、まっすぐ指先まで自然に伸ばしたままで、きちんと肩が入ればそれでよい。出す足の1歩目は、必ずつま先を伸ばして、チョンと地面に親指が付くだけ、決して決して前足に体重が乗ってはいけない、などというようなことだ。本場徳島の方々にとっては、基本中の基本なのかもしれないが、どうも我々の多くのメンバーがそれをきちんと自分のものにする前に、各自が勝手に踊りの形を自己流にしてしまっていた。
「男踊り手も女踊り手も、○○連の誰々さん、などとメンバーそれぞれに目標があるかもしれない。その人の踊りを真似しようと努力しているかもしれない。しかしそれは飽くまで”真似”であって、真似をしようとしているメンバー本人が果たして踊りの基本ができているかどうかは疑問。私自身が思っている”基本”でいいのなら、今後はそれを練習していこう」とのことだ。
今年のくすのき連の踊りが変わるかどうか・・・
3 お囃子のメリハリ
大太鼓や締太鼓には基本の叩き方がある。演技の本番では、その基本リズムを、ただ すーっと 大きな音 で叩いていれば、それでいいのだろうか?
徳島や南越谷で、本場徳島の連をいくつも見てきてから、そんな疑問がメンバーの中にわいてきた。
徳島の連の大太鼓は、常に思いきり大きく叩いているわけではない。普段の流し踊りのときは、そんなに大きくは叩いていない。でも、踊りの見せ場になると、途端に大きな音で「ドンガドンガ」と叩き出す。すると、踊りを見ていても迫力が倍増する。
締太鼓も基本リズムばかり叩いている連は徳島の連には無く、みんな楽しそうに、好き勝手な叩き方をしているが、そのメンバー同士できちんと音が絡み合っている。
また、奴のときの叩き方にも種類があり、これから我々の連も、メリハリのあるお囃子を目指して練習を重ねていくこととなった。
一方、テンポの早さも話題となった。本場の連と比べて、我々の連は、チト遅いリズムかもしれない。徳島の連をビデオで見ると、かなり 速いリズム だ。見ていて踊りも切れがあって見応えがある。メリハリと合わせてリズムも研究課題だ。もちろん、踊りもバタつかないようにしなければいけない。
2 奴のトントントンの回数の謎
男の奴踊りは、左右にトントントンと3回移動する場面があるが、我々の演技では5回トントンすることとなっている。最近若手から「お囃子に合わせて、4回にすべきではないか?」との疑問が出てきた。
それを聞いて私は「お囃子の拍子と踊りの拍子がまったく一致していると、なんだか踊りに味が無く、現代的な踊りと感じてしまうので、俺は5回でいいと思うなぁ」と言い、賛同するものもいたが、やはり4回がいいとの意見もある。
笛の師匠曰く「今は奴は4拍子だが、以前は(鉦も他の連中もまったく気が付かず)5拍子だった時期があったはずだ。だから5回になったのでは?」とのこと。
結局「どちらの踊り方がいいのかは、次回の練習の場で、実際見てみないと違いがわからない」とのこととなり、次回のお楽しみとなった。
平成11年夏、本場徳島と、徳島の有名連が多く出演する南越谷阿波踊り大会のどちらも見学して、メンバーはいろいろ感じるところがあった。
なかでも、連全体として、お囃子が重要であることについての記述は、平成11年8月の日記のとおりである。
一方、当然踊り手(男踊り)にとっても重要なことがある。我が連のSリーダーのおっしゃるに、「重要なのは、1歩目に体重が乗らないことだ!」とのこと。
リーダーが、徳島や南越谷で本場徳島の有名連をいっぱい見て、とにかく感じたことは、踊りの作法は提灯を持った暴れ踊り系や、団扇を持ったゆっくりとした踊り系など各連違うが、とにかく「1歩目の前足に体重が乗っていないことは、各連共通している」とのこと。
リーダーは、我々くすのき連の男踊りメンバーに、「東京の阿波踊りはこれだ!と新しい踊りを作っていくなら話しは別だが、本場徳島の連を目指すなら、踊っている最中に飛び跳ねたり、横っ飛びをしたり、提灯をクルクル2回転させたりする以前に、もっと重要なことがあるだろうっ!つま先でちょんと付くのであって、決して1歩目の前足に体重を乗せるなっ!」とのことだ。
ということで、我が連のオフシーズンは、この特訓が行われることとなった。